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『ハイペリオン』

『ハイペリオン』ダン・シモンズ 早川書房 を10月7日~12日で読了。

異様に長かったが、今まで読んだSFのなかで、最高だ。文章の長さが半分ほどならもっとよいのだが。

この小説は、『デカメロン』のような枠物語である。旅に出る7人がそれぞれの生い立ちを語るのだが、その一つ一つが既に素晴らしい。

第一章 司祭の物語は、無限復活がテーマとなっており、手塚治の『火の鳥』を思わせる哲学的なものである。死なない存在となること、人間社会との離別、報われない生、・・・得体のしれない感情が押し寄せる。レベルの高さに驚いた。

第二章、兵士の物語では、ヴァーチャル、戦争、恋人、定め、・・・現実世界で起こりそうな物語ではあるが、世界観の違いからそう言い切れない。

第三章 詩人の物語は、言語をめぐるお話。失語症からの復活、編集による銀河的大ヒットは一発屋に終わり、大衆へのおもねりを捨て、孤高を求める詩人。

p.217-8にある文章 

毎日毎日、十時間ぶっつつけで詩文を彫琢しては、いったん休憩してみっちり運動をし、食事をとったり仮眠したりしてから、また書きもの机にもどり、八時間ぶっとおして詩と格闘する、そんな日々が続いた。(中略)いまや、その過程は、完璧な言葉を選りぬき、唯一無二の韻を踏み、きわめて陽気なイメージを選びだし、ごくとらえどころのない感情の形容しがたい相似を付与するうえで、さらに時間のかかるものとなった。

こういう文章を言える詩人を、そして筆者に、敬意を払う。

p.251にある文章抜粋 

初めに言葉ありき。
終わりにも、言葉あるべし。

第四章 学者の物語は、若返り記憶を失い続ける娘と親子の物語。泣かずにはいられない、反則的小説。

第五章、探偵の物語は、大枠が分からなかった。人間と非人間の信頼と、冒険と、みたいな話だと思う。

第六章、領事の物語はラブロマンス。ひたすらラブロマンス。老い行く少女、シリ、はいつまでも少女のままに思える。いつまでも、失われても、姿を変えて残るは愛。

続編、『ハイペリオンの没落』を読まずにはいられない。が、しばらく時間を置こうと思う。
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テーマ : 書評
ジャンル : 本・雑誌

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Author:Yuki
東京大学理科一類
物理工学科進学
そのまま院進学
医生系海外院行きたい。
よろしくおねがいします。

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